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2010年9月18日 (土)

産業ナショナリズム

ついに日銀が為替介入を実行した。
民主党代表選挙前から、新代表への手土産に日銀が動くのではないかと以前から噂はあった。
仙石が「82円が防衛ライン」と発言したことに、批判の声が大きいが、あれは新政権の「勝ち名乗り」でしかない。
新政権が日銀を動かしたというプレゼンテーションが目的なのだから、「為替介入の段取りがバレる」とかどうでもいいのだろう。
やつらは、国益ではなく、党益、または自己の利益のためだけに動いている。
代表戦中に長い期間無政府状態で円高を放置してきたことは忘れてはいけない。

ここからが本題。

少子化が深刻化した未来、残された労働力の多くを採算性の低い産業に取られてしまうことは、同時に日本の国力が低下することを意味する。
採算性が低い産業とは、農業、林業、福祉だ。
いずれも、国の補助金ありきの産業形態であり、そこで働く人々にその人数分だけ、税金が補助金として使われている。
そこに働く人々が増えれば増えるほど、財政負担が大きくなることを意味する。
それは、ただでさえ少子化で税負担が大きくならざるえない未来の労働者たちに、さらに多くの負担を押し付けるということだ。

日本が国力を落とさず、現状の生産力を維持するためには、徹底した自動化と効率化をあらゆる産業に導入するしかない。
大げさに言えば、ロボットに働かせる社会を目指すのだ。

企業が生産拠点を海外に移す理由は、中国を始めとするアジアの労働者の低賃金に由来する。
ならば、日本は徹底した自動化で、中国人10人分と同じ生産力を、日本人1人で実現できる産業形態を達成する。
可能ならば、中国人20人30人と同じ生産力を、産業ロボットと1人の日本人で実現できる未来を目指すのだ。

自動化によって、工場を動かすのに必要な人数が減るわけだから、短期的に見れば雇用が失われるだろう。
だが、産業の空洞化が進まざるえない近未来では、日本国内に働ける工場自体が存在しなくなってしまうかもしれない。
中国人10人分を日本人1人で賄える工場が10カ所増えれば、雇用に実質的な影響はないだろう。
そのために、国内での生産拠点を増やす企業には、政府が法人税を下げるなどの政策を行えばいい。
短期的な雇用の問題を解決するために、前年より雇用を増やした企業にのみ、法人税を下げるなどの政策も行えばいい。
同時にエコポイントならぬ、メイドインジャパンポイントを導入して、国内生産比率の高い商品にのみ消費者にメリットがある政策も長期間実行する。
これらの政策を同時に実行することで、企業に国内への設備投資を促すのだ。
そして、なにより産業ロボットの研究や、産業の自動化を研究開発している企業に重点的に経済支援を国が行う。

徹底した自動化、効率化のメリットは大きい。
まず、円高に強い。
国内の労働対価の負担が円高により増加しても、中国人10人分の労働力を持つ日本人に、中国人10人分の給与を出せばいいだけなのだ。
日本の労働者の競争力は十分維持できる。
効率化が進めば、中国人30人分の給与を得られるかもしれない。

工業だけでなく、介護などの福祉にも自動化を導入していけば、国の負担も減る。
農業も工場化し、効率化することで少ない労働人口でも、十分な生産力を持たせる。
米や麦、大豆といったカロリーの高い農産物は工場化が難しいというが、それも克服していく。
農家の高齢化が問題視されているが、彼らが絶えてしまう前に実現できなければならない。

馬鹿げた子供の夢のように思えるかもしれないが、それが実現できなければ日本の産業は空洞化し、多くの労働者は国の補助金ありきの農業や福祉にしか就労できない未来になってしまう。
生産性の高い一部の労働者が、老人や子供だけでなく、同じ世代の労働者までも養う社会になってしまうのだ。
移民を入れれば解決するなどと言っている人たちもいるが、それを目指したヨーロッパでは、逆に福祉負担の増加につながっている。
その国の基礎的な国力が低下してしまっていれば、移民政策も失敗に終わるだけなのだ。
だいいち、国力の低下した国に優秀な労働力が海外から集まるはずがない。
来るのはタカリだけだ。日本を始め欧米諸国でも、外国人による同じような悩みを抱えている。


あらゆる産業で実現された超効率化システムは、輸出を増やしたいアメリカや、日本と同じように少子化に悩む欧州の先進国に売り込むことができるだろう。
途上国には厳しいアイデアだが、どちらにせよ先進国の経済が壊滅してしまえば、途上国も生きてはいけないのだ。

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