« 陰謀論 | トップページ | 子ども手当と消費税増税 »

2010年6月 8日 (火)

普天間基地存続?

防衛関係を経験した自民党議員が揃って「最悪なのは、普天間に海兵隊が残ってしまうことだ」と言う理由は何なのか?

ブッシュ政権以前から、すでに米政府は「日本に嫌われてまで、沖縄に海兵隊を置く必要はない」と考えていたと思う。
1996年の普天間移設の議論が始まった当初には、アメリカ側でさえ日本国外移転を容認する姿勢を見せていたのだ。
おそらく、ブッシュ政権移行も、辺野古に基地を移設し、部隊の大部分をグアムに移転させた後は、
韓国や台湾に言い訳できる程度の補給基地レベルが残せれば十分だったんじゃないかなぁ。
台湾が親中化してると言っても、民主主義である以上、台湾内の親米派に不安を抱かせるのはアメリカにとっても利益にならないからね。

「抑止力としての沖縄の海兵隊に意味はあるのか?」という議論は、少し軍事に興味がある人なら、ほとんどが否定的だろう。
まず、戦車大隊がないため機甲戦力がほとんどない。それを空輸するための大型輸送機もない。
弾道ミサイルや空爆から、自分たちを防御するための装備も置かれていない。
海兵隊は陸海空すべての装備を持っているとよく紹介されるが、沖縄の海兵隊にはヘリと歩兵輸送機くらいしかい。
つまり、有事に対して展開できるのは、軽装備の歩兵だけであり、陸軍や海軍が本格展開するまでの場つなぎ戦力しかないのだ。
台湾有事があった場合、揚陸艦を増やして戦車も簡単に投入できる中国軍とガチで戦うには、あまりにも頼りない。
それに、今はそういうの特殊部隊の仕事でしょ。
しかも、海兵隊員の沖縄での任期は6カ月の持ち回りであり、ジャングル戦の訓練程度しか沖縄に来る理由は実際あまりない。

だが、米政府といえど、米軍部の幹部たちや、票田である軍退役者たちに気を使わざるえない。
沖縄には利権もある。現役、退役軍人たちは自分たちの行動が無駄だったと思いたくないという誇りもある。
当然、台湾や韓国に理解を得るのも簡単じゃない。

そこで、
「ホントは撤退したくないけど、日本の強い要望によって沖縄から撤退させるよー」
「金銭などの負担は日本が持ってくれるよー。新しい基地も日本が用意してくれるよー」
「小泉が無理をおして、いろいろ協力してくれてるでしょー。アメリカもわがままばっかり言ってちゃダメだよー」
てなところが沖縄の海兵隊削減の言い訳としてアメリカ側にも必要だった。

普天間問題に関わった自民党関係者はアメリカの建前や言い分を理解していただろう(たぶん、小沢と亀井も知ってる)。
小泉純一郎がイラク戦争を肯定し、積極的にアメリカに協力しながら、基地移設やグアム移転費用の問題にとりかかっていたのも、
普天間問題の解決のタイミングを失いたくないからだったと考えている。
(ここらへんは「自主防衛ってホントにできるの?」とも重複する。アメリカに譲歩を得るための政治だ)
沖縄の海兵隊の抑止力など、全部理解してるだろう自民党関係者は建前上、「いなくてもいいや」とは今更言えない。
今までの交渉を全部ちゃぶ台返しにしちゃう危険があるからね。

ここらへんの、建前や言い訳は、日米ともに公にしたくない部分だと思う。
互いに空気を読んで交渉を進めてきたのだ。

だが、空気の読めない2人が話をややこしくしてしまった。
むろん、その1人は鳩山由紀夫である。
もう1人は、バラク・オバマだw

日本の民意が米軍基地を嫌がっていることくらい、今回の騒ぎがなくてもアメリカは十分に知ってるわけですよ。
だからこそ、橋本政権が最初に交渉を申込んだときに、アメリカも乗ってきた。
さんざん自民政権は民意を盾に交渉してきたわけです。
そこで、政治主導を気取った鳩山政権が、交渉の流れを知る官僚たちを追いやって、空気を読まずにちゃぶ台返しを行ったわけです。
で、こじれたあげくに、同じく空気の読めないオバマに対して、意味不明の代替案を連発したものだから、
「できるって言ったことは一通りしないといけなくなった」が現状だと思うのですw
鳩山政権が提示した、北海道含む日本全国で海兵隊の訓練施設を用意するといった余計な配慮は、
「撤退するはずの海兵隊」を日本国内で本格配備させるようなものですw
現行案なら飛行場だけを用意すれば、普天間周辺の軍施設の多くを撤去できたのに、
徳之島に基地を用意するのは中国からミサイルが届きにくい基地を海兵隊に増設してあげるようなものです。
撤退の理由の1つをアメリカから奪ってどうするのw

オバマも普天間問題を不必要にこじらせ、鳩山総理を退陣までさせてしまった。
米国内では批判されているようです。
今まで交渉を続けていたアメリカの関係者たちは、もっと穏便に事を納めたかったはずなので当然でしょうね。

たとえ、現行案に近いカタチに戻ったとはいえ、交渉はゼロからに戻ったようなものです。
進んでいた環境アセスメントも最初からやり直しなら、海兵隊員の大部分をグアムに移転する予定も先延ばしだし、
日本国内に海兵隊の安全な設備が充実すれば、グアムに移転する米軍側の意向もなくなってしまうかもしれません。
当然、先の見えない状況になりましたから、普天間基地が存続される可能性も出てきてしまいました。

小池百合子などの発言にある「普天間存続の危険」は、空気の読めないオバマだからこそ、現実になってもおかしくないのです。

« 陰謀論 | トップページ | 子ども手当と消費税増税 »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 普天間基地存続?:

« 陰謀論 | トップページ | 子ども手当と消費税増税 »